現粒取引と信用取引どちらにも良いところがある

株式投資には大きく分けて「現物取引」と「信用取引」がある、という話を今までしてきました。

これらの取引形態は「こちらがベスト」というものではなく、どちらにもメリットがあって、どちらにもデメリットがあります。

凄く単純な表現になってしまいますけど、それぞれのメリットを生かした取引をするのがベストじゃないかと思います。

そして、それぞれのメリットを生かす為には、それぞれの特徴を良く知っておく必要があります。

とまあそんな訳で、今まで現物取引と信用取引のメリットとデメリットについて書いてきました。

単純に欲張ってしまうと、売買出来る限度金額が大きくなるし、手数料も安いし、売りからも入れる信用取引が良さそうに見えます。

でも、その分だけ大きなリスクを負うことと、お金を借りて取引をする際に金利を支払うことなど、良いことばかりでもありません。

また、株式投資をしたくて証券会社に口座を作る際には、信用取引をする場合に限って審査もあります。

まあ証券会社としては、信用取引をする人=お金を貸す相手ですから、誰でもどうぞという訳にはいかない、ということですね。

ということで、今回は今までのまとめということで、今まで書いてきた内容を簡単にまとめてみます。


■現物取引の特徴

現物取引には以下のような特徴があります。

・入金した資金以上の取引は出来ない

・まずは株を買うところからスタートしなければならない

・実際に自分が株主なので株主優待を受け取れる

・手数料は信用取引に比べて若干高め

・損失をしても入金した資金内で納まる

・株の保有期限などは存在しない

こんな感じですね。

安定した企業の株を購入してずっと保有し続ける、という投資のスタイルであれば、この現物取引が絶対に有利です。

というか、長期保有をするのなら現物取引が必須条件、という表現の方が正確かも知れません。

こうした長期保有をする場合、値動きをする株に対して定期的に株を買っていくやり方が安定します。

こうすれば少しずつ保有株は増えていき、毎年受け取ることが出来る配当金も少しずつ増えていくという嬉しい状態になります。

ただし、その企業の経営が傾いたり不祥事があったりした際に、大きな損失を出す可能性も……

まあこれはどんな投資スタイルにも当てはまることですけど。

■信用取引の特徴

一方の信用取引には以下のような特徴があります。

・入金した資金の3倍分の取引が出来る

・最初に株を借りて売り、後で返済する「空売り」が出来る

・実際の株主になれる訳ではない

・手数料は一般的に現物よりも安めの設定

・場合によっては入金した資金以上の損害が出る

・株及び資金の返却期限がある

ということです。

要するに信用取引というのは、株価が値動きすることによる差額で利益を出すという、短期投資スタイルに適した取引形態なんです。

300円で株を買って、それほどの期間を待たずに305円で買った株を売却する、という感じの取引です。

現物取引よりも資金を失うリスクが高い分だけ、上手く行った際のリターンも大きいのが特徴ですね。

配当金は証券会社から受け取ることが出来ますが、それはもちろん株を買っていた場合に限られます。

買いの反対である売りをしていた場合には、逆に配当金に相当する金額を支払う必要が出てきます。

このあたりの特徴をしっかりと頭に入れておき、自分がどちらの取引をすれば良いのかをまずは考えてみましょう。