株を買うときは期待しかない

株主優待のことだけを考え、権利確定日に現物買いをした後、権利落ち日にその株を売ってしまう。

これだけの単純な手順を踏めば株主優待を得ることが可能です。

ただしこのやり方はキャピタルゲイン(値動きによる利益)を考えた場合、あまり上手くいかない可能性を秘めている。

前回の話はそんな感じの主旨でした。

こうした話は、恐らく実際に自分で株主優待を狙ってみれば、イヤでも身に染みて理解出来ることだと思います。

しかしその一方では、人の話を聞いただけでは「へぇ」となるだけで、あまりピンと来ないかも知れません。

私自身も自分でやってみて、ある程度痛い目とか悲しい目にあって、ようやく納得できたことですから。

まあこれは全然自慢できる話ではないですけども……貴重な体験をしました、と言えなくもないです。

というか、そういう表現をする他はない、が正直なところですけど。

今回はそんな私の経験の中で、結構ダメージを受けた株主優待取りについての話をしてみたいと思います。


■安易な考えからスタートする

これはもうかなり昔の話ですが、何か良さそうな株主優待はないかな……という感じで株主優待検索をしていた時のこと。

私の場合、株式投資を始めたきっかけが株主優待でしたから、割と積極的に優待を狙っていました。

値動きの方向を間違えなければ、株主優待を狙いつつ、値動きの差額でも少しは利益を出せそう。

そんなことを考えていた時期でした。

そんな中で「お、これはなかなか良いんじゃないか……」という感じで目に留まった企業が「ベリテ」でした。

ベリテという会社は、宝石や貴金属、時計などを扱う小売店を展開している企業です。

まあ抜群の知名度を持つ企業という訳ではありませんけど、私の場合は近所にショップがあったので、知っていはいたという感じの会社でした。

全く何をやっているのか分からない会社より、自分の身近なものを作っていたり販売したりする会社の方が良いかも。

と、そんな意識も少し働きました。

そこで私は具体的な優待の内容と、株主優待の権利を得る為の条件を確認することにしました。

当時ベリテが株主優待として用意していたのが、ちょっと詳細までは覚えていませんが、以下のようなものでした。

・5000円相当のアクセサリー

・5000円の買い物券

・10%割引券

しかも買い物券と割引券は併用することが出来る、ということで、結構貰うと嬉しい内容になっていたことをよく覚えています。

株主優待を受け取る為に必要な株の数は1000株、当時の株価は250円程度だから25万円程度必要という計算です。

……まあこれを書いている時点では66円ですけど、株価は変動するものですから仕方がありません。

25万円出して株主優待をゲットすれば、単純に1万円相当の品物が手に入る、という計算が成り立ちます。

なかなかの利回りじゃないか。

そうした自分勝手な計算を根拠にして、私はベリテの株を現物で1000株買うことにしました。

出来れば株価が300円くらいになって、5万円の利益に株主優待が付いてくれば最高だよな……

などという甘い考えをしつつ、ベリテに1000株の現物買い注文を入れることにしました。

買った時の株価は確か240円くらいだったと記憶しています。

それがその後どうなったのか……まあ失敗談を書いている訳ですから損をすることになりますが、詳しい話は次回に続きます。