株式投資で最も重要な損切りという考え方

前回は、株式投資で損失を出すパターンとして、お金を儲けることばかりを考えた安易な取引を挙げてみました。

まあこれを書いている私自身も、こんなに偉そうなことを言える程の成績をあげている訳ではないですが……

それでも、出来るだけ損失を少なくするような努力をしているので、それについて少しは書いて良いかなと思ってます。

仮に安易な取引だとしても、株価の予想が当たれば問題なく利益を出すことが出来るじゃないか。

と、そう思う方がいるのは承知しています。

安易な取引でも充分に利益を出せるという事実は、私自身の経験からよく分かっています。

私もそうして利益を上げていた時期がありますから。

しかし、儲けることだけを考えた安易な取引というのは、長い目で見ると結局はマイナスになることが多い。

これを言いたかったんです。

上がるか下がるか、株価の動きを当てようと考えることについて、私は否定的な考え方を持っています。

が、これはもう少し先に書くことにして、今回は安易な取引がなぜ長いスパンでは損失につながるのかを考えてみましょう。


■悪いシナリオを考えるかどうか

利益だけに注目した安易な取引というのは、基本的に〇〇円まで値が上がったら売って利益を出そう、という考えで行う取引です。

もちろん株式投資をしている以上、利益を狙うのは当然の事なんですけど、上手くいかない場合を想定する必要があるんです。

でも、そんな面倒なことは考慮せずに、楽しい儲けの計算だけをして注文を出す、というパターンです。

5000株買っているから、差額が10円あって50000円の利益になる、みたいな計算をしながら。

当然それが現実のものになる可能性もありますが、思惑と逆の動きをすることも少なくありません。

そうして、長い目で見ればマイナス収支になっていく。

これはなぜかというと、プラスになった場合のことしか考えていない人は、マイナスになると金縛りにあったかのように何も出来ないからです。

何もできないというのは極端な表現ですが……

ある銘柄の株を買って、上がることだけを予想(又は期待)していると、どうしても素早い行動が出来ない傾向にあります。

上がることだけを考えている訳ですから、その株価が下がった場合に「そんなはずはない」みたいな話になってしまう。

これが問題なんです。

■損切りがしにくい

買った株が予想に反して値下がりしてしまった場合、選択出来る行動は以下のようなものしかありません。

・売って損失を確定させる

・値上がりするまで待つ

基本的には、買った際に自分が考えていた動きと違っている訳ですから、諦めて売るのが正解に近いです。

でも、書くのは簡単だし実行するのも簡単に見えるけど、実際やってみるとこれがかなり難しい。

「至難の業」の一歩手前くらいの難しさ、という表現で伝わるかどうか微妙ですけど、少なくとも簡単に出来ることではありません。

じっくりと待っていれば値上りして損失が消えるかも知れない中、自分の手で損失状態を確定させる。

これは心理的に結構キツイことですから。

株式投資をする方の大半が、この「損切り」が出来なくて苦しんでいるのではないかと思います。

私も損切りは苦手だしイヤだけど、「今の状況ではこの行動がベストなんだ」と自分に言い聞かせて実行します。

ちょっと極端に感じるかも知れませんけど、私としてはそれくらい大変なことだと思っています。

「思惑通りに行かない場合は損切りをする」と決めて注文を出しても、損切りをするのは大変なんです。

そんな想定をしないで注文をした場合、損切りが非常に難しいのは当然のことだと思いますが、いかがでしょうか。