株主優待と取引での利益は相反する場合が多い

株主優待を狙うことは確かに楽しいんですけど、そればかりに目がいってしまうと結局は大きな損失を出すことになります。

株主優待を受け取る楽しさを味わい、それにプラスしてさらに株の値動きでも利益を出したい。

そういう要望がどんな人にもありますよね。

もちろんそうなれば最高ですし、上手くやればそれも充分に可能だということに間違いはありません。

しかし実際にやってみるとよく分かりますけど、株主優待と値動きによる利益という二兎を追うのはなかなか難しい

現物株を権利確定日に所有していれば良いだけなので、株主優待を受け取ること自体は簡単です。

「二兎を追う者は一兎をも得ず」という諺がありますけど、株主優待の場合は一兎を得ることは出来るんです。

だけどその後が問題なんですよね。

株主優待だけを追いかけると、結局は値動きに翻弄されてしまい、株主優待以上の損失を出してしまう。

そうならない為にはどうすれば良いのか、どんな部分に気を付けるべきか、というのが今回のテーマです。


■そう簡単ではない

株主優待を狙っていると、基本的には株主優待に目がいってしまっているので、買うタイミングとして適しているのかが分からない。

だから私が失敗したように、株主優待で得た利益の何倍もの金額を、値動きによる損失で失うことになるんです。

この問題はきっと、株主優待を狙う際にほぼ毎回出てくる問題じゃないかと思います。

まあ「株を買うタイミングが適しているか」というのは、株主優待ではなく、値動きで利益を出したい場合でも同じですけど。

これは株式投資をする際に、必ず出てくる永遠のテーマというか永遠の宿題と言えるでしょう。

まあ要するに、株を買うタイミングは難しくて、買った株を売るタイミングはさらに難しいということです。

ただでさえ難しい売買のタイミングに、株主優待という要素が入るんだから、それが簡単なはずはないですよね。

そんな難しさを、これから株主優待を楽しもうと思っている方に、少しでも伝えることが出来れば……

そんなことを思いながら、私がベリテの株主優待でどのように失敗したかを書いてみました。

これを読んで、安易な気持ちで株主優待を狙わなくなって頂ければ、私の経験も少しは役に立ったんじゃないか、という気がします。

■難しいだけでは終われない

ただし私は「株主優待を狙うのは難しいから止めましょう」という話をしたい訳ではありません。

その逆で「株主優待は楽しいからぜひ挑戦してみて欲しい」という話をしたいと思っています。

だからあえて最初に、株主優待が持っている危険性について触れたんです。

損失を出す危険があるのは間違いのない事実ですから、それをしっかりと認識してから株主優待を狙って欲しい。

そんな思いがある訳です。

株主優待を追いかけた結果として、株主優待の価値よりもはるかに大きな損失を出さない為には何に気を付ければ良いか。

どんな銘柄には手を出すべきではないのか、などなど。

注意すべき点をしっかりと押さえておき、出来るだけリスクを回避する方向で株主優待を楽しむ。

それが出来れば良いんじゃないかと思いますが、いかがでしょうか。

少なくとも私の場合はベリテで痛い目を見た後、さすがに安易な注文を出さなくなりました。

そしてその結果として、株主優待を狙った取引ではそれほど痛い目に遭わなくなりました。

ある程度気を付けるべき部分はあるはずなので、次回はそのあたりについて考えてみることにしましょう。