5000円相当のオリジナルアクセサリーと、5000円の買い物券そしてさらに10%の割引券。
これらの魅力的な株主優待が、当時250円の株価だったベリテが株主に用意していた優待でした。
250円の株を1000株、つまり25万円を投資すれば、その魅力的な株主優待が手に入る。
これは利回りとしては悪くなかったので、「思わず飛び付いた」という感じで1000株の現物買い注文を出したんです。
買いであっても売りであっても、株の注文を入れる時の誰もがそうであるように、もう希望に満ちていました。
株主優待を受け取るのもそうだけど、少しは値上がりして利益を出せれば嬉しいんだけど……
と、そんな夢のようなことを考えていました。
権利確定日まで半月程度時間があったので、後はのんびりとそのまま現物を保有しておけば良いだけ。
こんなに簡単で良いのか?という気もしましたけど、まあ実際にはやっぱりそう簡単にはいかないもの。
案の定そうなったと言うべきか、しばらくの間はベリテの株で苦労をすることになります。
■出来高が少ないという問題
まず最初にベリテの株で困ったのが、出来高が圧倒的に少ないということ。
日によっては丸一日取引がない場合もあって、とにかくほとんど取引時間中の値動きがありません。
買い注文を入れる際に「なんだか出来高が妙に少ないな……」とは思ったんですけど、あまり気にせずに1000株の株主となりました。
でも、とにかく当時のベリテ株は出来高が少なかった。
出来高が少ないというのは取引自体がないということで、買いたい人もいないし売りたい人もいない、という状態でした。
だから「今すぐ売りたい」と思った場合でも、現在の値段よりもはるかに低い値段で売ることになるんです。
今にして思えば、買い注文を入れる際に感じた出来高の少なさを見て「危ないな……」と気がつくべきだったんです。
しかし何事もそうであるように、株式投資をする上でも「今にして思えば」は全く通用しないんですよね。
基本的に株価は「買いたい人はいくらなら買うか」と「売りたい人はいくらなら売るか」バランスで成り立っています。
だから、買いたい人が全然いない銘柄では、売りたいと思ってもなかなか手放す事が出来ない状況になります。
■権利確定日を迎えて
出来高が少なすぎるせいで、毎日の値動きは全然ないんですけど、これでは売るに売れないな……
そんなことを思いながら、結局権利確定日を迎えることになりました。
どっちに株価が転ぶかは分かりませんでしたが、まあある程度予想した通りというか、結局は権利落ち日に株価が30円くらい下がります。
ここで一気に3万円を超える含み損を抱えることになりました。
もうダメなことはわかっていたんですけど、全然活発に売買されていない銘柄なので、板がスカスカなんです。
「板がスカスカ」がどういう状況なのかは後で詳しく説明をするので、ここでは省略しますけど、要するに現在の株価では売れないんです。
現在の株価が205円とかになっているのに、買い気配で最も高い値段が180円とかだったりする訳です。
仕方がないので売り気配の一番安い値段より1円だけ低い値段で注文を出しておくんですけど、全然売れません。
なにしろ買いたい人も売りたい人もいませんから。
しばらく頑張って注文を出し続けていたんですけど、結局はベリテの株を売買したい人が全然いない。
出来高が少ないというのはこんなにキツイことなんだ……ということを当時は本当に痛感しました。
で、結局はどうなったのか、という話は次回に続きます。