損切りをしないで含み損に耐えると、大抵の場合は何とか値段が戻ってきて、結果オーライ的に利益を出すことが出来ます。
どうして大抵の場合は助かるのかというと、基本的に株価は常に上がったり下がったりしている、というシンプルな理由があるから。
そうして値動きをしている中で、自分が買った金額よりも高い値を付けることはよくあることです。
だからジッと我慢をしながらその瞬間を待っていて、利益が出る瞬間を狙って売れば良いんです。
薄利となる可能性は高いですけど、かなりの確率で簡単に利益が出ます。
……と、このような一連の流れが、前回紹介した「株式投資で損失を出すことになるパターン」の1つでした。
上の文章だけを読んでもどうして損失になるのか、よく分からないと思う方がいると思います。
あえて簡単に利益が出そうな感じの文章にしているから、そう感じることもあるかも知れません。
でも、このやり方を続けると、結局長い目で見ると損失になってしまうことがほとんどだと思います。
これは非常に大事なことだと考えているので、しつこいようですが、前回に引き続き同じような話をします。
■いつ諦めるかという問い
上がると思って買った株が値下がりしても、我慢をしていればそのうちに値段が戻ってくる。
だから一時的に損失を抱えることになっても、株を売らないでずっと保有し続ければ、最終的には利益になる。
これは先ほども書いたように、ある程度は真実を含んでいます。
ただ、ここでじっくりと考えて頂きたいのが、以下のような質問にどのような回答をするかです。
もし買った値段からずっと下がり続けて、全然値段が戻らないような場合は、どこまで我慢をする?
いかがでしょうか。
もう少し具体的な例を挙げることにして、まずはこのチャートを見て頂きたいと思います。
これは大手ゼネコンである清水建設の株価が、どのように推移したのかを示すグラフで、チャートと呼ばれます。
このチャートを見ると、2006年の1月に947円という高値をつけていることが分かります。
だけど今この記事を書いている現在では、株価は大きく値下がりをして大体330円程度で推移をしています。
株価は値動きしてナンボですから、値下がり自体が悪いことである訳ではなく、これはごく普通のこと。
さらに言えば、バブル絶頂期だった1989年の12月には、何と2510円をつけています。
恐らくですけど、2500円を突破した当時は、3000円なんて軽く超えるという雰囲気もあったと思います。
でも、どこが天井だったのかは後になってようやく分かることで、当時の状況からそれを知ることは出来ません。
株式投資の難しさはこの辺にあるんですよね。
■実際はどう対応するか
で、例えばこの清水建設の値動きを見ていたあなたが、2500円から下がってきた1500円で買ったとします。
それから株価は下がり続け、300円から400円を行ったり来たりする現在に至る訳ですが……
1500円で買った株をどの時点で手放すでしょうか。
もしくは、今も1500円を超える時を待つでしょうか。
結構悩ましい問題だと思いませんか?
含み損に耐えて値段が戻るのを待つ場合、こうした「全然値段が戻らない」というリスクがあります。
損切りをしないという行為は、そうした大きなリスクを含んでいる、ということをまずはしっかりと理解することをお勧めします。
もちろん株式投資は自己責任ですから、それを理解してなおかつ損切りをしないのも自由ですけど……
誰だって損失を出すのはイヤなはずなので、一度損切りについてよく考えて、きちんとしたスタンスを持っておく方が良いと思います。