このカテゴリでは、株主優待を楽しむ前の準備として、株式投資について最低限の知識を持っておこうという趣旨で書いています。
株主優待が届くのは確かに楽しいことなんだけど、楽しむ前にある程度のルールを知っておく必要があるはず。
そして、株主優待を楽しむにはある程度のリスクを負う必要がある、という現実も知っておくべきです。
もちろんそのあたりの話は、実際に株式投資をやっていればイヤでも気が付くことではあります。
気づかざるを得ないことだから。
でも、がっつりと痛い目を見て痛感するのなら、まずは知識としてそれを知っておく方が良いんじゃないかと思います。
まあ知識として知っていることと、自分で体験したことの間には、決定的な違いがあるとは思います。
しかしだからと言って知識が不要かというと、絶対にそんなことはないはずだと私は思っています。
そんな訳で、まずは株式投資の基本的なルールなどについてサラッと書いていきたいと思います。
■株券の意味と変動する価格
株券というのは企業が資金調達の為に発行するものですから、株券を購入するということは、その企業に資金を出すということを意味しています。
私たちは株券を購入することによって、その企業の出資者になることで、その企業の業績によって様々なリターンを得ることが出来ます。
株主優待もその中のひとつですけど、基本的には「配当金」が最も一般的な企業からのリターンだと言えるでしょう。
企業とは基本的に利益を出す為に存在する集団であって、利益を上げた際には出資してくれた人にその利益の一部を還元します。
株主優待はその出資者(=株主)に対し、配当金以外に品物やサービスを提供したりするという制度を意味します。
多いパターンとしては、株主に自社商品を知ってもらおうという目的で、その企業が取り扱っている商品を送る場合があります。
もちろんそれ以外にも色々趣向を凝らした株主優待がありますが、それについては後で詳しく書くことにして。
まずは株券というのが、企業に対する出資であることとを覚えておきましょう。
そして株券が持っているもうひとつの特徴として、「株券の価格は変動する」というのがあります。
■需要と供給の世界
株を購入するのも、持っている株を売却するのも自由ですが、買いたい値段と売りたい値段がマッチするとは限りませんよね。
売りたい人は出来るだけ高い値段で売りたいし、買いたい人は出来るだけ安く買いたい訳です。
これは人間が誰でも思うことですが、では買いたい人が多いけれど、売られている株が全然少ない場合にはどうなるか。
これは需要と供給の単純なルールですから、当然そういう状態の株券の価格は高くなっていくことになりますよね。
逆に皆が手放したいと思っている株券は、買いたいと思う人があまりいない状態ですから、どんどん値段が下がってくることになります。
と、このように株券というのは需要と供給によって価格が変動する、という大きな特徴を持っているんです。
だから、購入した後で大きく値段が下がる場合があって、それで自分の資産が減ってしまうリスクがある、ということです。
また、例えばある企業の株券を購入した後で、その企業に不祥事があったり巨額の損失を計上したりしたら……
その企業の株価は大きく下がってしまう可能性もあります。
極端な話をすれば、その企業がある日倒産してしまったら、最悪の場合は株価が1円などになってしまう。
そんなこともあり得る訳です。
株式市場に上場している企業は、ある程度の規模を持っている企業ではありますが、そうした巨大な企業だから安泰という訳でもありません。
このように、株式投資をするというのは、自分の資金がゼロになってしまう危険を持っているんです。
信用取引については後で詳しく説明しますけど、もっと最悪の場合はゼロではなくマイナスになってしまう。
そんなリスクを伴ったものである、という事実をまずは覚えておきましょう。